【Zotero 8 × iCloud × GoodNotes】iPadで論文を読む最適解にたどり着いた話¶
はじめに¶
Zoteroで管理している論文をiPadのGoodNotesで読みたい。ただそれだけなのに、意外とハマりました。
Zotero公式のiOSアプリを使えばいいじゃん、と思うかもしれません。でも実際やってみると初回同期で「Too many requests」エラーが出てPDFがダウンロードできない。ライブラリにある論文を取するとなぜかようとするサーバーのレート制限に引っかかるんです。初回で。
そこでたどり着いたのが Attanger + iCloud Drive という構成です。Zotero公式のファイル同期をバイパスして、iCloud経由でPDFを共有する方法。
この記事の対象読者¶
- Zotero 7 / 8 を使っている
- iPadのGoodNotesで論文を読みたい
- Zotero公式iOSアプリの同期に問題を抱えている
- Mac + iPad の環境
全体像¶
構成はシンプルです。
Zotero(Mac)
↓ AttangerがPDFをiCloud Driveに移動
iCloud Drive
↓ 自動同期
ファイルアプリ(iPad)
↓ 外部ファイルとして開く
GoodNotes(iPad)で読む・書き込む
↓ 注釈がiCloud上のPDFに保存
Mac側でも注釈が反映される
メタデータ(タイトル・著者など)はZoteroサーバーで同期、PDFファイルはiCloud経由という2系統の管理になります。
必要なもの¶
- Mac(Zotero 8がインストール済み)
- iPad(GoodNotesがインストール済み)
- iCloud Drive(Mac・iPad両方で有効化済み)
- Attangerプラグイン
Attangerとは?¶
Attangerは Zotero用のサードパーティプラグインで、名前は「Attachment Manager」の略です。Zotero本体にない「PDFファイルの移動・管理」機能を追加してくれます。
もともとZotero 6時代には「Zotfile」という定番プラグインがありました。PDFのリネーム、外部フォルダへの移動、タブレットとの同期など、Zoteroユーザーにとって欠かせない存在でした。しかしZotfile はZotero 7以降に対応しておらず、開発も止まっています。
Attangerはそのzotfileの後継として開発されたプラグインで、主に以下の機能を持っています。
- PDFを指定フォルダに自動移動(iCloud、Google Drive、OneDriveなど)
- ファイル名の自動リネーム(著者名・年・タイトルなどのルールで整理)
- PDFからのメタデータ抽出
今回はこの中の「指定フォルダへの移動」機能を使って、iCloud Drive経由でiPadとPDFを共有します。
手順¶
Step 1:Attangerのインストール¶
- Attangerのリリースページ から最新の
.xpiファイルをダウンロード - Zoteroを開いて
ツール → アドオンを選択 - ダウンロードした
.xpiファイルをアドオン画面にドラッグ&ドロップ - 確認ダイアログで「OK」→ Zoteroを再起動
再起動後、Zotero Settings の左サイドバーに「Attanger」が追加されていれば成功です。
Step 2:iCloud Driveの準備¶
MacでiCloud Driveが有効になっていない場合は先に有効化します。
システム設定 → Apple ID → iCloud → iCloud Driveをオンにする- Finderのサイドバーに「iCloud Drive」が表示されることを確認
- iCloud Drive内に
Zotero Papersなどの名前で新しいフォルダを作成
Step 3:Attangerの設定¶
Zoteroの 設定 → Attanger を開きます。
Attach Type
サードパーティの同期(iCloudなど)を使う場合は「Link」を選択します。
Destination Path
Root Directory: 「Choose...」→ iCloud Drive内の「Zotero Papers」フォルダを選択
Subfolder: {{collection}}(デフォルトのままでOK)
Choose... ボタンをクリックすると、Finderのフォルダ選択ダイアログが開きます。左サイドバーの「iCloud Drive」→ 先ほど作った「Zotero Papers」フォルダを選択して「Open」をクリック。
Step 4:PDFをiCloudに送る¶
Zoteroのライブラリで論文を右クリック → Attanger → Move Attachment を選択。
iCloud Drive の Zotero Papers フォルダにPDFが移動されます。Finder で確認してみてください。
Step 5:iPadで開く¶
- iPadで ファイルアプリ を開く
ブラウズ → iCloud Drive → Zotero Papersを開く- 読みたいPDFを長押し →
共有→GoodNotesで開く
注意点:GoodNotesのインポートに気をつける¶
GoodNotesでPDFを開く方法は2種類あります。
| 方法 | 注釈の保存先 | iCloudとの連携 |
|---|---|---|
| インポート(コピー) | GoodNotes内部 | ❌ 切れる |
| 外部ファイルとして開く | iCloud Drive上 | ✅ 維持される |
「インポート」してしまうとiCloud上のPDFとは別物になります。 GoodNotesで書き込んだ注釈をMac側にも反映させたい場合は、必ず「外部ファイルとして開く」を選んでください。
日常のワークフロー¶
論文を追加するとき(Mac)¶
- Zotero Connectorなどで論文を追加
- ライブラリで右クリック →
Attanger → Move Attachment
読むとき(iPad)¶
- ファイルアプリ → iCloud Drive → Zotero Papers
- PDFをGoodNotesで開く
- 注釈・メモを書き込む
注釈はiCloud経由で自動同期されるので、Macからも確認できます。
なぜZotero公式同期ではダメだったのか¶
Zoteroの公式ファイル同期には2つの選択肢があります。
- Zotero公式ストレージ:無料で300MB、有料で2GB〜6GB
- WebDAV:自前のサーバーやKoofrなどのサービスを使う
公式ストレージは無料枠が300MBと小さく、容量を確保するには有料プランへの移行が必要です。加えて、iOSアプリでの初回同期時にレート制限(Too many requests)に引っかかることがあります。WebDAVはiOSアプリが非対応。
「費用を抑えつつ、安定してPDFを共有する」方針で、iCloud Driveに寄せることにしました。
Attanger + iCloudなら容量はiCloudの契約次第(50GBプランで月130円)で、レート制限もありません。
まとめ¶
- Zotero 8ではZotfileが使えないのでAttangerが代替
- Attangerの Destination Path にiCloud Driveのフォルダを指定するだけ
- iPadではファイルアプリ経由でGoodNotesから開く
- 「インポート」ではなく「外部ファイルとして開く」が鍵
Zotero公式の同期が改善されれば不要になるかもしれませんが、現時点ではこの構成が一番安定しています。同じ問題で困っている人の参考になれば。
作成: 2026-05-17 / 最終更新: 2026-06-16